大阪地方裁判所 昭和29年(行モ)5号 決定
本件申立の趣旨は「昭和二十九年十二月九日大阪府会の議決を経て豊能郡庄内町を廃し、その区域を豊中市に編入する被申立人の処分の効力は本案(当裁判所昭和二九年(行)第八七号市町村合併取消並町会議決無効確認事件)判決の確定までこれを停止する」というにあつて、その理由の要旨は前記府会の議決は豊能郡庄内町の申請に基き行われたものなるところ、右申請をなす為め昭和二十九年十一月二十二日開かれた庄内町議会は混乱の裡に議決をなすことなく終了したのみでなく、仮りに議決がなされたとしても、右議会の招集にはその場所を同町役場内の議会議場と告示しながら当日突如これを庄内小学校講堂に変更した為め、右議会は告示の場所で開かれず且一般に公開されなかつたことになり、右議決は無効である。然るに被申立人はかかる存在しないか或は無効の議決の結果なされた申請に基き、大阪府会の議決を経て前記処分をしその旨内閣総理大臣に届出た為め、内閣総理大臣の告示により右処分はその効力を生じ、右処分に定められた実施の日である昭和三十年一月一日以降申立人等は庄内町議員としての地位を失うこととなり償うことのできない損害を蒙るに至るというに在る。
然しながら右処分の執行の結果申立人等の庄内町の議員としての地位が消滅するに至るとしても、それはあくまで右処分の間接的な結果に外ならないのみでなく、かかる場合は償うことのできない損害を避けるため緊急の必要がある場合とは認められないから本件申立はこれを却下すべきものとする。
(裁判官 乾久治 仲西二郎 白須賀佳男)